『霧だった』

 僕は何なんだろう。全てがもやもやとしている。
 僕の心。僕の体。僕の境界。
 僕の色。僕の感覚。僕の夢。

 僕、という、存在。

誰かが、何かを言っていた。
ぼんやりとした僕は、それなりに、精一杯、それに注意を傾ける。
何度か、そういうことがあった。
何度目か、何十度、何百度目だったか。
キリ、というコトバが、こちらに来ていることに気がついた。
それが、僕のことだ、と、また、しばらくかかった。

 ああ、僕は「霧」という存在なんだ。
  そう、知った。
  そう、思った。

風が流れた。

  僕の一部は散っていく。
   やっと気づいた境目がズレていく。

やがて、僕は、霧、では無くなった。
僕は、水滴になって、辺りにべっとりと絡みついた。

 

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テーマ:霧/2018.11.03.

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