『誰が為の清浄』

 生きるために薬を盗まねばならぬ子がいる。
 それに目を閉ざせば、毒に抉られる。

 神は何処を見ておいでなのか。第一の眷属のはずの天使にその疑念が浮かぶのは何故なのか。
 それは背徳だ、と思う度、相反する思考が広がる。
 毒だ。この毒がしみこむたび、神から遠ざかる。果てに待つのは堕天、そして、背反勢力に与するみち

 主よ、何故にこのこのように、我らを創られた。
 その葛藤に応えられる者は居ない。
 判るのは、これは誰に仕掛けられたのでもない、それが己の内から生まれた毒だという、絶望的な、そして甘美な事実。

 神は全てを信用していないのか。
 この毒が生まれない者だけを残すと仰せられるのか。

 毒は浸食する。
 治癒薬は、見つからない。

 

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テーマ:薬/2019.02.02.

 

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