あなたになりたい。
少女たちは互いに望んだ。
揃いのドレス、揃いの色の髪、揃いの髪飾り。
違うのは、大きさと、片方の薬指にある約束の指輪。
あなたになりたい。
二人の望みを、月明かりが見ていた。
そうしてある日、二人は様変わりする。
人形のように無感情な姫君は、ころころ笑い、たおやかに泣く、気性豊かな娘になった。
そうして、彼女の側にはいつも、昔から片時も離していない人形が置いてある。髪もドレスも飾りも、全てが姫君の揃いにいつも仕立てられている。
二人の、いや、一人と一体の望みは密やかに成就した。もう、どちらも、相手をうらやむことはない。
王子に嫁いだ姫君は、常に、穏やかな心持ちを秘めた人形を側から離さなかった。
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第40回 テーマ:人形 /2018.03.03.
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