あの王子様は余り者。
大事な役目も、大きな特技も、綺麗な姿もない。
王子様はお城でひっそりと、ご飯さえも兄弟の余り物を選んで食べて育った。
王様は言う。跡継ぎどころか任せられる領地もない。
大臣は言う。他所の国に似た年の姫様はいない。
兄弟は言う。いいじゃないか、のんびりと暮らしていたって。
王子様は余り物の草木を使って絵を描くのが好きだった。
絵だって部屋に余ってしまうけど。
ふらりと立ち寄った妖精が、余り者の王子様の絵を見た。
とても気に入って、王子様の周りに、もっと綺麗な色の出る草木を増やした。
妖精は王子様のいる国は栄えさせた。
余り者の王子様は、のんびりと絵を描き続けて一生を過ごした。
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テーマ:余り/2020.03.07.
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