ひたすらに微睡んでいた。いつからか、それ以前があったのか、それすら忘れてしまった。
そこは、かつて巨竜であった、やがて空を切望して、昇った果てに大地と化した存在の腹の中。
誰が覚えているというのか。
否、神と精霊が、そこに微睡む者たちに気がついた。
そして、草木が覚めた。共に眠っていた大樹の神が目覚めた。
大樹は現し身を望み、小鳥のさえずりを望む。
ただ、ただ、空に浮かぶ大地から、ゆっくりと、腹の内の者が芽生え始める。 時に、大地の、竜の素養を取り込んで。
新たな世界は、次第に満たされてゆく。
神の、精霊の、かつて孤独に耐えかねて飛び立った巨竜への、遅い祝福。
清も、濁も、善も、悪も、これから生まれる大地へと。
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第41回 テーマ:新しい /2018.04.07.
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