「なぜ、外から援軍が!?」
将軍は驚愕した。
速やかに占領した国境の街。この街の占領は知られないよう、万全の配慮をした。
伝令は全て阻止したはずだ。救援の伝書鳩すら、ことごとく射落とさせた。
だが、現実に、奪回軍は迫りつつある。
彼らは知ること無く敗北した。
最初の伝書鳩が落ちたところに、たまたま乞食が通りがかったこと。
一切れのパンを恵んだ旅人が、礼としてそれを受け取ったこと。
旅人は内容さえ見ずに、通りすがりの兵士らしき人物にそれを渡したこと。
巡り巡って、街の希求は王都に届き、奪回軍が編成された。
乞食はパンを有り難く食んでいる。
旅人は遠くで戦の噂をきいた。
国境の街は一夜にして解放されて、街は喝采にあふれた。
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テーマ:届/2021.05.01.
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