『選択-守護』

あのとき、僕が何故その選択をしたのか、もう覚えていない。
誰かが、それを選ばなければならなかった。その役を引き受けた時、僕はむしろ積極的であったと思う。
でも、こんな結末になると知っていたら、違う選択をしたのではないだろうか。

残ったのは、
荒野、
残骸、
そして、無数の朽ちた睡眠装置。

僕は半永久的に護られている。
本来はそ守護し、維持し、いつか楽園の世で全てをやり直すための、緊急システム。
理論は、高確率でそれを保証していた。
けれども、絶対では無かった。

〝絶対ではない〟

これは、僕のその一言にたいする軽視の結果だ。

今はただ、眠ったまま朽ちた人々に、せめて墓標を建てる。
風の音ばかりが響く、永遠の荒野で。

 

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テーマ:眠る/2020.12.05.

 

※『選択-守護』『選択-眠り』は単品ですが、一応、1セットです。っつーか、特に後者は単品の「つもりで書いたが、独立できてるか微妙に不明」orz 作者のヘタレをご了承くださいませ。

 

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