『選択-眠り』

私は、眠ることを選んだ。
数人が守護が管理をするシステムに身を委ね、いつか来る楽園のような世界に目覚めるために。

夢すらない、という話は、私に関しては該当しなかった。
時間の認識はないけれど、幾つもの夢を見た。
幾つものパターンの人生を見た。
それでも、いつも最後には、眠っている、と、認識できていた。

どこかの境目までは。

肉体はいまだ、システムの中で横たわっている。
けれど、何故か夢ではないと確信できてしまう荒野に、私は投げ出された。

そこでは、守護者が黙々と、孤独と共に墓標を建てている。

私がここにいる、と声を投げかけた。
けれど、それが決して届かないことが、私には確信出来た。

それでも、私は彼の側を離れない。

 

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テーマ:眠る/2020.12.05.

 

『選択-守護』『選択-眠り』は単品ですが、一応、1セットです。っつーか、特に後者は単品の「つもりで書いたが、独立できてるか微妙に不明」orz 作者のヘタレをご了承くださいませ。

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