金の鍵は王様の。
銀の鍵は姫様の。
銅の鍵は親方の。
さぁ、どれを選ぶ?
銀の鍵をもらった女中の娘。
銀の鍵を、姫様に持って行く。
「無くした衣装箱の鍵よ、ありがとう」
姫様は喜んで、宝石箱からきらきらとした髪飾りを取り出して、髪に飾ってくれた。
そして娘は、姫様の女官になった。
銅の鍵をもらった街の男。
銅の鍵を親方の部屋の鍵付き箱に刺してみた。
くるりとまわって箱が開く。
中には帳簿とお金がたんまり。
振り向くと、親方が鬼の形相で立っていた。
そいつを大臣様に渡してるから、うちは他所よりたくさん仕事を貰えてるんだ。
親方は男をぶん殴り、いくらかのお金を渡し、裏帳簿の口止めをする。
さぁ、お前は金の鍵を、持って行くかい?
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テーマ:鍵/2020.06.06.
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