お題小説

『解放』

 いつも、悩むのだ。  開けるべきか、このままにしておくべきか。  時折、頭の片隅に何かがよぎる。悩む理由の一つは、それかもしれない。  けれど、その理由すら判らないから、悩む。決心がつかない。  ある日...
お題小説

『人の救い、魔女の救い』

 そろそろ二百年にもなろうか。すでにこの牢獄《/ろうごく》は、彼女の住まいと化していた。  同じ頃に、同じように捕《/と》らわれてきた者たちは皆、拷問《ごうもん》の傷で命潰《つい》えたり、火刑《かけい》に処《しょ》され...
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『そして、王妃の目には喜びの涙が』

 王様は、王妃様に、お二人の婚姻の日には必ず、高価な宝飾品を贈られます。  青い宝石の首飾り、赤い宝石の耳飾り、琥珀に妖精を閉じ込めたというブローチ。  妾姫しょうきたちにはない、王妃様が大切されている証あかしと、ささやく廷臣たちも多い...
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『追跡』

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『ある女領主』

 彼に問えば必ず「応おう」と来る。応こたえた通りの結果をもたらす。  それは、戦士の理論。  違う。  彼女が欲しいのは、個としての彼の返しこたえなのだ。  主あるじであっても女で有る限り、いや、女であるからこそ、それを彼に直接に問...