月光が異様な輝きを見せた。星たちがその余波を受けて視界から閉ざされる。深夜、真っ暗な空を、月の光だけが輝いて、地上の光すらも飲み込むように見えた。
月は赤く、紅く、朱く、瞬くように輝き始める。
陽光の反射とは全く別種の色。
瞬間から、多くの人が永遠に包まれたように感じた。
炎に包まれたような。
色。
やがて、熱。
そして、轟音。
何刻か、何日か、地上ではしばし、紅い日が続く。
いくらかして、人々はその環境に馴染み、やがて変化は歴史に埋没した。
後に、月面の映像を撮るまでに何台もの機械が熱で消えた。
ようやく確認がドロドロとした灼熱の沼地が幾つも見つかった。月の内側から吹き出した灼熱が、幾度も表に吹き出した池だった。
テーマ:月/2016.10.01. Twitter300字ss @Tw300ss
コメント